乗り鉄ペンギンのSLOW LIFE

鉄道ひとり旅を愛する徒然ペンギンの鉄道ブログです。

【鉄道あれこれ】鮮魚列車・引退(2020.3)

こんにちは。

コロナのせいで趣味を自粛せざるを得ず、途方に暮れているアイスです。

 

さて、前回に引き続き近鉄ダイヤ改正を取り上げます。

今回の記事は鮮魚列車の運転終了について。

 

↓前回記事はこちら↓ 

penguin-diary0329.hatenablog.jp

 

 

ダイヤ改正のプレスリリースからおよそ1ヶ月後、

新車両の登場とともに名物列車の引退が発表されました。

「伊勢志摩お魚図鑑」を導入ー近畿日本鉄道

 

鮮魚輸送の歴史・・・交通網の変化の波に飲まれた貨物列車

そもそも鮮魚列車って?トラックで運べばいいのに、なぜ鉄道を使うのでしょうか?

その歴史は明治時代まで遡ります。

高速道路がない時代、新鮮な魚介類をいち早く各地に届けるには貨物列車が最善の選択肢でした。

明治41年冷蔵車が登場してからは長時間輸送が可能になり、戦後には特急貨物列車も登場。

しかしながら、高度経済成長期の1960年代に高速道路を始めとした道路網が急激に整備され、速達性においてはトラックが圧倒的優位となりました。

その結果、鉄路による鮮魚輸送の需要は大幅に減ってしまいました。

 

唯一残る鮮魚列車・・・伊勢志摩で獲れた新鮮な海の幸を、関西へ届ける 

そんな中で唯一生き残っている専用列車が、近鉄鮮魚列車

1963年に「伊勢志摩魚行商組合連合会」のための貸切列車として登場しました。

伊勢志摩の海の幸といえば、定番の伊勢海老や牡蠣・鮑などの貝類が名産ですね。

ご多分に漏れず、近年は利用者数は減少傾向ですが・・・

近鉄は鮮魚列車を地域の足として大切にしており、廃止の予定はありませんでした。

 

車両と運行形態・・・三代目の2680系が大阪〜三重を一日一往復

つづいて、車両についてご紹介します。

現在の鮮魚列車の車両は三代目2680系近鉄初の冷房を搭載した一般車です。

鮮魚列車専用に改造されて、2001年から3両編成で運転されています。

 

だいぶ前に撮った写真を引っ張ってきました(笑)

方向幕には「鮮魚」の二文字が。(2017年3月10日 鶴橋駅にて撮影)

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そして運行形態ですが、平日と土曜日に一日一往復運転されています。

朝は宇治山田を6時過ぎに出発して、大阪上本町に9時前に到着。

夜は大阪上本町を17時過ぎに出発して、松阪に19時半ごろ到着し明星検車区へと入ります。

貸切列車ですが途中主要駅で停車します。 一般客は乗車できないので注意!!

 

さらば鮮魚列車・・・鮮魚輸送は「伊勢志摩お魚図鑑」へと引き継がれる

そんな鮮魚列車ですが年々加速する利用者の減少には抗えず、ついに2020年3月13日をもって運転終了が決定しました。

せやけど・・・近鉄は鮮魚の輸送はやめへんで〜!!

3月から代わりに鮮魚列車を担う、ラッピング車両「伊勢志摩お魚図鑑」が登場!

平日朝の松阪6時44分発大阪上本町行き急行の最後部に、お魚のイラストが描かれたこちらの1両を連結します。この車両が鮮魚運搬専用の車両となり、一般客は利用することができません。

鮮魚列車からの変更点として、実質3両から1両での輸送になったと捉えることができますね。

また、土曜日の運転も廃止されています。

鮮魚列車は夕方から下り運転がありましたが、伊勢志摩お魚図鑑は上本町に到着後、どのタイミングで松阪に戻るのかなど・・気になる点がたくさんあるので登場が待ち遠しいです。

 

感想

地元にいた頃、ちょくちょく見かけては心躍らせていた鮮魚列車。

馴染み深い名列車の引退を見届けることができず、少し寂しい気持ちがあります。

56年半に渡る長い歴史は幕を閉じますが、近鉄はこれからも変わらず、新鮮な海の幸を大阪へと運び続けていきます!!